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アラン・ベネット著『やんごとなき読者』を読了。
昨夜、一気読みにて終了。
こんなに読書にハマったのは、昨年か、プリーストリー『夜の来訪者』、ガーネット『狐になった奥様』以来だと思う。
どれも、英国もの。
この『やんごとなき読者』は、エリザベス女王が、ふとした切っかけで、一冊の本を読むことで、読書の世界にどんどんのめり込むお話し。
女王が読書にハマることに、周囲の家臣は、戸惑いを憶え、迷惑をこうむる。
が、女王の読書は留ることなく、老年の彼女は、時を惜しむかのように、貪り読んでいく。
彼女の読書は、読むことに留まらず、ついに・・・。
英国という国における読書という行為、その地位は決して高くはない。
そういった背景を頭に入れ読んでいくと、またひと味違う読了感が得られることと思う。
大変おもしろく読んだと同時に、また英国における女王制度を深く考えさせるものだった。
ある日、自分は「神」だと名乗る男が精神科医リチャードを訪れる。
男(ガブリエル,ゲーブ)とリチャードは、面談を始めることに。
ゲーブは妄想を抱いているのか、それとも神が病んでいるのか。
神が病むことがありえるのか。
信仰と宗教、神とは。
ひとが生きるとは。
実在のアメリカ人精神科医マイケル・アダムスの実体験を下敷きにしたフィクションだが、ノンフィクションに近い感じを受けた。
200ページ、10章から成る本だが、1章1章が簡潔に描かれており、読むのに進行しやすかった。
内容が難解な部分も多く、意味を確認するために、前の行を読み返したことが多かったが、決して読みにくいものではない。
現代に生きる者への福音的小説だなあなんて思ったり。
パウロ・コエーリョが好きな方などは多分気に入ると思う。
随分前に、kitkatさんが絲山秋子さんの『海の仙人』を紹介していたけれど、この絲山さんにハズレはない。
最初に読んだのが『逃亡くそたわけ』って本。
精神病院を脱走した女の子と男の子が、九州を車で旅するお話。
男女の微妙な距離感がいい。
全然暗くなくって、読んでいて心地よかった。
しばらく絲山さんのことは忘れていたんだけど、偶然本屋さんで見かけたのが、『海の仙人』。
最初の数ページに軽く目を通すと、すうっと、気持ちに入ってきた。
面白かった。
不器用な人と人の関わりを描くのが上手い。
でも今思うと、最初の1ページ目の始まりは、すごいなあって思う。
あれで読者を作品の世界へ惹き込むのは、正にファンタジーだって思う。ちなみにファンタジーってこの本の重要な登場人物の名前。
で、今日読んだのが、『袋小路の男』って題名。
短篇が三つ入ったお得な内容に満足度上昇。
一線を越えない男女を書くのは、絲山さんの真骨頂。
絲山さんって、人と人との不器用な心の機微を描くために、小説書いてるんだろうなあ。
何気に芥川賞なんて古典的な賞を受賞しているんだけど、全然難しくも固くもない。
作品中、洋楽や文学の小ネタが入っているのは、うれしくもあり、楽しい。
住宅設備の会社に勤めていた経験があるせいか、会社のことやインテリアを描くのもお上手。
ここで一気に絲山さん熱が急上昇。
次は、『ニート』『スモールトーク』『イッツ・オンリー・トーク』を、立て続けに読みたいって思ってる。
ちなみに、ここで挙げた本はみんな文庫になっていて、しかも400円台とお値段もお得。
あー、早く今日の絲山さんを体感したい。
寺山修司著『両手いっぱいの言葉 413のアファリズム』を読んだ。
「愛」で始まり「夢」で終わる52のキィワードから、413の名言・名文が並ぶ。
例えば、適当にページを開いてみた。読んでみる。
「ことばには重さはないけれど、愛には重さがあるのです。」
「どんな鳥だって 想像力より高く飛ぶことは できないだろう」
「希望は美しい、絶望も美しい。だが、両者をわけるものは、もっと美しい」
「歴史には何の目的もない。人類にも、何の目的もない。」
「歴史の敵は、現在である。」
「生が終わって死が始まるのではない、生が終われば死もまた終わってしまうのである。」
「地下にはガス、電気、鉄道と同じようにわれわれの血をも通わせることができる」
「賭博には、人生では決して味わえぬ敗北の味がある。」
「人は恋愛を夢みるが、友情を夢みることはない。夢みるのは肉体であるから。」
「夢の中は治外法権である。」
以上、本文より抜粋。
本をひとに勧めることはめったにしないのだが、この本には何かを感じた。
1時間30分もあれば読めるので、多くのひとに読んでもらうことを望む。